メキシコでは
女の子にとって
15歳の誕生日は特別である
15歳を祝う
ミサと盛大なパーティが行われる
これには
女の子が
一人の女性として
社交界デビューを果たす
意味合いがある
キンセアニョスや
キンセアニョラと呼ばれるこの習慣は
ラテンアメリカの国々に
残っている
アステカの先住民の間には
成長の段階ごとに
多くの儀式を設定していたと言われ
その伝統と
ヨーロッパからの移民がもたらした
宗教や価値観が混ざり合い
今日のような体をなしたとされている
主役の少女は
華やかなドレスに着替えて登壇
結婚披露宴と同じ位の豪華なパーティを
開くのだ
そして、主役は父親とワルツを踊り、披露する
自分の部下の娘のお祝いに
私も夫婦でお邪魔したことがあるが
成人式と意味合いが似ていると思っていたのだが
父親と娘とが抱き合い
共にワルツを踊る姿に
それ以上の意味合いを感じずにはいられなかった
儀式や慣習と呼ばれているものは
国によって、地域によっても異なる
意味合いも、その重みも
参加してみて
初めて分かることがたくさんある
家族の都合で
仕方なく海外や地方に転勤した人たちの中には
言葉の壁を感じる人もいるだろう
でも
言葉の壁を超えた先に
知らない世界が必ずある
15歳の私は
そんなことも知らなかった
だから
私は部下の娘に
日本語を学ぶ本を贈った
彼女が言葉を超えて
出会う世界があることを
広めてくれるに違いない
La Carrière -Mariko