メキシコの郵便事情は
想像するにたやすいが
はっきり言って、醜い
日本から出した郵便も
紛失されることはもちろんのこと
一年経って
やってきた郵便物すらある
フランス人の友人が
バカンスでメキシコに来た際に
小包を送ってきたことがあった
彼曰く
サプライズにしておきたかったが
どう考えても
着かない可能性が高いので
Marikoに先に連絡する
届かなかったら
あきらめてくれ、とのことだった
期待を裏切って
その小包は
三日かからず手元にやってきた
メキシコの郵便局も
頑張ればできるのだ
実際、国内郵便は
そこまで時間がかからないことが
わかってきた
時間がかかるのは国際郵便である
特に通関に時間がかかる小包
そして
はがきや手紙や
小さな入れ物に入ったものも
なぜか異常に時間がかかる
時間指定ができたり
翌朝指定配達ができたり
書留郵便の記録がきちんと残ったり
そんなことができる国は
そうそうない
日本で当たり前にできていることが
海外では通用しないということは
よくある話だ
先日
一か月ほど前にアルゼンチンから出したハガキが
無事についたという知らせを
日本から受け取った
いつでも
どんな時代でも
誰かから届く郵便には
愛と思いがつまっているものだ
第二次世界大戦の間
戦場の兵士たちと家族の人々が
戦争中にやり取りをした軍事郵便に
思いを馳せる
今も尚
何億通ともいわれる
届かずに保管されている軍事郵便があると聞く
届けたくても
届けられない郵便物が
この世には
まだたくさんある
個人情報保護法などの法律ができたことで
親族や家族に手紙を届けるのも
難しくなってきていると聞く
戦争がない時代に生まれ
インターネットが発達した時代だからこそ
手書きのハガキや手紙が
意味を持つこともある
誰かを思い
愛に満ちたメッセージをしたためることは
相手を思うだけでなく
自らを振り返る機会にもなるはずだ
ところで
私の出した郵便が
日本に着いたという連絡はまだないが
そろそろ届いてほしい頃ではある
すでに一か月は待っている
La Carrière -Mariko