歴史の記憶を武器にする

教員免許を持っている身として
昔から不思議に思っていたことがある

それは

なぜ日本史と世界史が分かれているのか

ということである

世界で働いてみて
改めて思ったのだが

日本人は
日本史と世界史が合体した年表を
頭の中で描くのが
苦手な人が多い

理系の道を歩んでいたこともあり
高校時代
日本史を学んだことがないのだが

それでも
過去に学んだ知識はある

フランス革命の頃
日本が何時代で
どのような政治だったのか
思い出してもらいたい

フランス革命の終わり
1789年に人権宣言が採択された頃
日本は江戸時代
老中、松平定信による寛政の改革の
真っただ中であった

フランスでは
政治の舞台に市民が登場している時代
日本はまだ
武士が政治の舞台を
牛耳っていたということである

こうした史実を
同時に理解するような教育が
なぜ行われないのか
私は不思議でならないのだが

時代ごとの出来事を
同時に教えられるような
授業をする教員も
きっと世の中にはいるはずと
信じてやまない

実際
海外でビジネスをするにあたり
歴史は重要な知識の一つである

物を売るにしても
サービスを提供するにしても

その街や国が
どのように発展してきたのかで
売り方や販売方法
宣伝や展示の仕方も変わってくる

その国のたどってきた歴史を知らずして
真の文化理解は得られないのだ

また
ビジネスパートナーとの話題で
時折歴史の話になる

詳しい人は
戦争の歴史や革命の歴史など
さまざまな切り口で
話を展開してくるのである

たとえば

東インド会社ができたころ
日本では何があったんだ?

そんな質問をされたことがある

それは一体西暦何年で
いつ頃の話なのだろうかと
正直、聞いてみなければ分からないのだが

おそらく17世紀ごろであったはず
だとすれば
関ヶ原の戦いくらいであったはず

そのような形で
記憶を頼りに
なんとか回答した苦い思い出がある

記憶力には限界もある

決して
歴史を細かく記憶する必要はない

大事なのは
世界で起こっていた史実と
日本で起こっていた史実を
重ねて見たことがあるか
ということである

お勧めしたいのは
中学生や高校生向けの
歴史資料集
もしくは
年表の入った
歴史参考書である

一冊持っていると
何かと便利である

分断された記憶を
自らつないでいくことで
知識は武器となる

La Carrière -Mariko