夏の記憶

8月になると
バカンス
長い夏のお休みを
どうやって過ごしてきたか

思い出しながら
写真を見返したくなる

夏休みに
日本から
フランスに遊びに行ったことが
人生で一度だけ、ある

それは親友二人が
奇遇にも
仕事の都合でパリに住んでいたため

二人と共に夏をフランスで過ごせる
ラストチャンスと
思い立ったため

値段の高い航空券を買い
フランスへと向かったのである

この時
私は初めて
フランスという国の
素晴らしさを
味わったと思う

食文化が生きる街
市場の人々や
焼き立てのバゲットの香り

バカンスで休みっぱなしの
有名なショコラティエや
ビストロなど

そんな風景を目にして
素敵な国だと
フランスのことを
思えるようになった

この旅に出るまで
私にとってフランスは
どちらかというと
仕事の悪夢の象徴であり

フランスへ行くということは
寝る時間を惜しんで
仕事をするためでもあった

そしてこの旅行を楽しんだ
翌年

まさか自分がフランスに
転勤になるとは
夢にも思っていなかったが

きっとこの夏の旅行で
フランスの魅力を
知ることができたことで
神様が
何かのチャンスを
くれたのではないかと思う

きっとすべてのできごとが
繋がっているのだろうと
今の私には
分かる

La Carrière -Mariko