空の上から

この記事が公開される頃
私は
日本へ向かう
空の上であろう

愛してやまない土地
人々
言葉や文化

私の人生を
大きく豊かに
成長させてくれた
メキシコから
日本へ帰るフライトである

COVIDのせいで
以前のような
素晴らしい
サービスもないだろう

夜中2時過ぎに
メキシコシティを飛び立ち
14時間にも及ぶ
長いフライト時間を
過ごすことになる

時間的に
睡眠時間にあたるため
映画をたくさん見る楽しみも
あまりないが

きっと素敵な映画を
1本くらいは見れるだろう

軽くシャンパンを飲みながら
日本とメキシコへ
想いを馳せる14時間である

コンサルティングを卒業してから
早二か月

あっという間であった

自宅を片付け
新しい家を見つけ出し
また、自宅を作る作業が
私を待っている

1日も早く
不妊治療にとりかかりたい

でもまずは休む場所としての
自宅を探す必要がある

帰国後の14日間は
まずは自粛期間ということで
政府の指定する場所に
待機することになる

苦痛と思う人も
いるかもしれないが

私は
最高の
休み時間を過ごそうと決めた

決して広いホテルではないが
私はホテルでの住空間を
うまく作り上げられたらと思っている

食事はUber EATSなどを
利用することになるだろう

この期間は
自分が食べたいものを
好きなように選び
料理もせずに
食べられるのである

意識を向けるべきは
悪いことや
恐れることではなくて
こうなったら嬉しいと思うことであったり
こうなってもらいたいと
願うことである

空の上から
私も意識を集中させようと思う

これから始まる
久しぶりの日本での生活が
幸せで
望むものとなるように

私は自分の一部を
はぎ取られたような
悲しさのような
苦しみのような
気分に
襲われる

それはメキシコを去る私の心が
そう言っているのである

昔の私は
未練たらたらで
きっとそんな心と
共存なんかできずに
捨てるだけであったと思う

でも今日の私は
そんな心と共存して
手をつなごうと思っている

愛している人たちは
今日もメキシコで
強くたくましく、生きているのである

私も強くたくましく
そして
しなやかに
生きよう

La Carrière -Mariko