運命のハイヒールに出会えたら
そんな強い思いを持って
クリスチャンルブタンの
店舗へ向かった
欲しい高さ
欲しい色
足に合う形かどうか
仮に
気に入った形に
出会ったとしても
問題はサイズがあるかないかである
靴選びとは
こうも難しいものかと
子どもの頃は知る由もなかった
大人になりにつれ
革製の靴やローファーに足を入れ
ようやく理解する
悩みの一つでもある
今思い返すと
制服の学生たちは
決められた靴で
よく学校まで歩いたりできるものだなと
感心してしまう
今の私の足の形では
一般的なローファーは
足には絶対合わないからである
それほどまでに曲がった
外反母趾
一般論からいくと
ハイヒールのせいではないかと
疑われても
仕方がないが
実際は違うのだ
ハイヒールを履くようになってからは
外反母趾でも
足の指先を使えるようになったこと
体重をつま先に
乗せられるようになってきたことを
声を大にして言いたい
そんな外反母趾の私にとって
本当に自分の足に合う
ハイヒール探しは
決して簡単ではない
幸運にもクリスチャンルブタンの店舗に
欲しい形、高さ、色のものがあったが
実際に足を入れてみると
高さがあるだけに
靴が脱げてしまうのである
サイズを一つ落とすと
私は実は足の指が長いため
小指や薬指がつっかえてしまう
今回は泣く泣く諦めることにした
靴は生き物である
職人の魂が入ったものでもある
次回
違う場所で
同じ靴を履いてみようと
なぜか
そう思ったのだ
きっと私の足に合う
運命の一足が
どこかにあるに違いない
どこかの職人が込めた魂が
私の魂と共鳴する靴が
あるはずである
La Carrière -Mariko