鏡の前に立つこと

我が家の玄関には
全身鏡があり
外へ出る際に
それを目にせず
出て行くことは
不可能なつくりになっている

鏡の前に立つとき
何気なく立っている日もあれば
今日はこれでいいかなと
確認のために立っている日もある

鏡の中の自分は
本当の私を映しているというが
まさに心模様が
表れているのかもしれないと思う

急いでいる時は
自分に目を配る時間がなく
それはつまり
自分自身のことを
振り返ったり
見返す時間がないことを意味し

これでよいのかなと
ファッションや姿を気にするときは
自分を気にかけているとも言えるし
人の目を気にしているとも言える

鏡とはそういうものだ

全身鏡の前で
ハイヒールを履いて歩く時の私は
いかに美しく歩くかということに
執着している私に出会える

その時間が
とても心地よい

つまり
美しく歩けるようになると
もっと心地の良い毎日が
待っているのだということを
意味しているのかなと
考えるのであった

La Carrière -Mariko