ドイツ語圏も
実はミュージカルが盛んである
ウィーン在住時代に
友人に連れられて観に行ったミュージカル
それが
エリザベートである
実際の人物像を加味しながら語られる
史実とフィクションが混ざった作品である
私が無知すぎたのかもしれないが
実は
日本でも
大変人気のある作品なのだという
ウィーンで観劇するのだから
当然、すべてのセリフや歌は
ドイツ語である
当時ドイツ語もままならなかったが
勧められるがまま
友人に連れて行ってもらった
言葉は分からなくとも
私はその作品に大変感銘を受け
もっとオーストリアのために働こうと
強く心に誓ったことを
覚えている
私にとってエリザベートという作品は
自分とオーストリアとのつながりを
一層強くする
きっかけとなった
当時この作品がきっかけで
私はドイツ語の勉強にも
再度熱が入ったのは
言うまでもない
その後日本で幸いにも
日本語版を観る機会にも恵まれた
もちろん
ウィーンで観たあの時ほどの感動とは
比べるわけにはいかないが
素晴らしい作品に仕上がっていた
今も
時折
ドイツ語版の曲を聴いている
その度に
住んでいる国への敬愛と
話されている言葉や文化への理解は
その国を愛する基本であり
そうした土台なくして
ビジネスはあり得ないということを
思い出させてくれる
英語とスペイン語しか話さない毎日だが
こうしてドイツ語を時折思い出させてくれる
貴重な機会でもある
ミュージカルというのは
音楽やダンス、光や造形などを用いた
総合芸術である
そして総合芸術の素晴らしさは
言語を超えるのだという経験を
私は身を持って体感した
身体が放つ言語は
時に、言葉を超えるのだ
La Carrière -Mariko