価値観の違う首都圏と地方都市圏

人生において
何に優先順位を置くのかは
人それぞれの
価値観であり
正しいこと、正しくないことという
物差しでは測れない

しかし
日本だけでなく
様々な国において

首都圏と地方都市圏で
価値観が大きく異なるのは
事実である

難しいのは
お互いの価値観を
認め合い
共存していくことであろう

大学院を出て
三カ国語以上を話す
三十代後半の独身女性は
地方都市では
幸せな暮らしを送っている女性と
思われることは
ほとんどなかった

首都圏では
年齢を問わず
独身であることを楽しんでいる男女の
知人や友人がたくさんおり

今を大事にする生き方こそ
幸せであると思っていたし
そうあることが
幸せだと思われた

誰のために生きるのか

もちろん
家族のため
自分の生活のために
生きている人も
たくさんいる

しかし
私の周囲の仲間たちは
少なくとも
違うものを持っていた

貧しい人の生活を助けたい
困っている人を助けたい
新しい技術で世の中を変えたい
人類の生活を変える物を開発したい

思いは様々ではあるが
少なくとも
自分や家族の幸せ以外のものに
価値観の中心がある人が多かった

誰かのために生きる

そんなことを
目標に掲げている人ばかりで
私はそれが
当たり前なのだと思っていた

地方都市というよりも
田舎という方が正しいのかもしれないが

首都圏から離れた場所では
女性が自立することを
好ましく思っていない人が
まだまだたくさんいることにも
正直、驚かされた

家族の幸せが第一で何が悪いのか
女性は家庭に入り
子どもを産み育てるのが仕事だろう

そんな事を言う人もいるだろう

私が問いたいのは
そんな人も
そうでない人のことを
受け入れられるかどうか
ということである

今、40代の私だから言えるが

確かに
子どもは早く持った方が良い
それは医学的にも言われていることだ

家庭に入るという言葉の裏には
子育ての大変さを
表現しているとも
言えなくはない

産休、育休を取る女性は
事実
その間
家庭に入っているのと
同じである

私個人の価値観とは
全く一致はしないが

女性は家庭に入り
子どもを産み育てるのが仕事だろう
という主張は

そういう点で
一理あることもあるのだ

日本人は特に
周りに合わせるのが得意である
和を重んじるためである

しかし
これからの時代

多様な価値観を多様に認める

つまり
調和の和ではなく
受容していく和が大事になるのだ

私の経験からだが
地方へ行けばいくほど
どんな国でも
他から来た人を受け入れることが
難しくなり
新しい価値観を受け入れるのに
時間がかかる

世界はどこも同じであった

首都圏の価値観と
地方都市の価値観を
一つにするべきだとは思わない

生活スタイルが違うのだから
当然である

価値観が違うことを
受け入れられる土壌づくりは
世界の課題でもある

調和し
誰かの意見に流されるのではなく

違った意見も受け止め
その上で
お互いの主張の良さを認め合える

そんな世の中を
目指さなければならない

そして
それは
真の異文化理解の目指すところでもある

La Carrière -Mariko