外国語の習得に
ペーパーバックを読むといいと
多くの人が勧めている
私も久しぶりに
スペイン語の
ペーパーバックを買ってみた
ビジネス書でもなければ
人材育成や美学
コーチングにまつわるものでもなく
物語をあえて選んで買うのだ
普段使わない単語の宝庫である
おかげで辞書なしで読むのには
骨が折れて折れて仕方がない
辞書なしで読むことを推奨する人もいるが
私は敢えて辞書を使いながら
単語を噛みしめて読むのが
好きである
単語を調べながらの読書は
本当に時間がかかる
終わらせようなんて思ってはいない
一枚、一枚
ページを進めていくと
いつか読み終わる日が来るはずである
外国語との相性は
人それぞれである
私は英語が嫌いであるし
英語も私のことを好いてはいないと思う
スペイン語と出会ったことで
私の語学への苦手意識は
一気に吹っ飛んだ
最初に私の英語を受け持った教師が
まともな教師であれば
こんなにも苦労することはなかったのに
なんてことを
何千回も思ってきた
そして
今も思っている
けれど
きっかけはどこかにあるはずだ
きっといつか
英語と相思相愛になる日も
来るはずと
信じている自分がいるのである
ペーパーバックを開く度に
なぜこんなにもたくさんの枚数を
読まなければならないのだろうかと
ふと思う
でも
時には時間をかけて
本を読むことの贅沢を味わうべきだ
筆者もまた
時間をかけて
それだけの言葉を用意しているはずだからである
辞書なしでも
片手に辞書を持ってでも
じっくりと一冊の本と向き合うことは
一つの仕事をやり遂げることと
同じである
一つの物語を味わい
外国語から入ってくる文字を
五感で感じるようになるまでに
そう、時間はかからない
そのうち
意味が正確にわからなくとも
言葉が語りかけてくることが
分かるはずだ
La Carrière -Mariko