ハイヒールからの信号

さすがに休みなしで二週間
働き続けると
身体が悲鳴をあげてくる

ハイヒールに足を入れると
なぜか
いつも感じないところから
痛みを感じた

ストッキングのせいもあるだろう
しかし
身体が疲れていると
足が教えてくれるのだ

脚の運びもうまくいかなくなり
そのうち
歩くことが
精一杯になる

困ったものである

ハイヒールのコーチになろうというのに
こんな醜態では
正直
人様に教えるような
立ち場には
立てないのではないかとすら思う

しかし
思考を変えてみる

疲れている時に
ハイヒールがサインをくれ
サインに気が付けるということは
ハイヒールの恩恵なのだ

そしてその恩恵に
気付いていく能力が
私にはある

誰かの歩き方が疲れてきた時
それを見極めていくことも
できるはずである

ハイヒールが知らせてくれることもあれば
歩き方が知らせてくれることもある

身体が休みを欲している時
体調を崩しやすいというが
まさにその通りで

体調を崩すことで
身体は危険信号を送っているのだ

ハイヒールに足を入れ
歩きだすと
その危険信号を
事前に察知することができる

たとえその日
ハイヒールで外出する機会がなくとも
家の中ででも
足をそっと入れてみて
脚を動かしてみれば

答えは一目瞭然になるはずである

ハイヒールコーチは
体調を敏感に感じ取れる
コツをお伝えすることが
できるはずである

ハイヒールからの信号は
無視できない

その事実を
伝えていく必要がある

ハイヒールは
身近な身体のサインを
最も敏感に感じ取ってくれる
センサーでもあるのだ


La Carrière – Mariko