諦めるということを覚える

人によっては
ネガティブに捉える人も多いが
諦めるということは
時に最大の効果を持つ
決断の一つである

諦めたことを
後から決して後悔しないこと

そのことを心に固く決め
その上で諦めるのだ

諦めるということは
特に日本人には難しい

それは決して
仕事や夢の話ではない

たとえばメキシコでは
断水が長くて三日続くこともある

こういう時は諦めるしかないのだ

まずはトイレを流すための水を確保する
共用プールから水をかき集める人もいれば
普段からバケツに水を用意する人もいる
勿体ないが
浄水を買ってくることもあり得る

大事なのは
諦めた後にどう対処するか
である

シャワーを浴びることができない時は
助けを誰かに求めるか
浴びられる場所を探すかしか
方法がなく
余計な出費を迫られることもあるだろう

しかし
出ないものは出ないのだ
水がないことを嘆いても
誰かを恨んでも
状況が変わるわけではない

次の一手に視線を向ける方が
大事になるのだ

日本では
マンション等で
ふいに
断水や停電など
余儀なくされる場合
すぐに復旧される可能性もあるため
どうしても
待つことが普通になる

もちろん混乱がないわけではない

しかしある程度の時間がたてば
情報が整理され
いつ頃復旧されるのかも
アナウンスされたりするものもある

メキシコでは残念なことに
期待をして待つということは
正直あり得ない

もし復旧したら
運が良かったと思うだけである

諦める能力は
実は海外に出てから磨かれたと
私自身も感じている

それは決してネガティブなことではなく
状況を理解し
どう乗り越えるかに焦点を当てる思考術を
手に入れることでもある

諦めるという能力の
本当の意味は
至れり尽くせりの世界では
身に付きにくいが

外へ出てみると
その重要性に
気付かされるのだ

La Carrière -Mariko