アメリカへ渡ると
必然と英語を話す頭になるが
空港やレストラン
ホテルなどのスタッフが話す言葉が
スペイン語だったりすると
つい
スペイン語が口から出てしまうものである
私はとても運が良い
仕事で偶然出会ったのが
スペイン語だったからである
大学でスペイン語を勉強したわけでも
留学経験があるわけでもない
本当に偶然
スペインという国で
働くチャンスを得たとも言える
一方で
不思議な話もある
私の両親は
長年子どもに恵まれず
苦労の末に
私を授かったというが
実はその直前に
オウムを一羽
南米から買いつけた
そして
そのオウムには
ロロという名前を付けたという
残念ながらオウムは
胎児に影響を与えるウィルスを持っている可能性が高く
妊娠が分かった両親が
泣く泣く預けた祖父の家から
飛んで逃げて行ってしまった
スペイン語でオウムはロロということを
両親は知らずに
名付けていたのだが
今思うと
ロロというオウムが
私を母の元に連れてきたようにさえ
感じる
そしてロロという名前が示すかのように
私はスペイン語を話すようになった
余談ではあるが
オウムに好かれるのも
そのためではないかとさえ
思うのだ
英語圏で英語を話しても
それが当たり前かのように
誰も褒めてはくれないが
スペイン語圏でスペイン語を話すと
ほぼすべての人が
そのことに喜びを感じてくれたり
褒めてくれたりするものである
おそらく
そんな環境もまた
私にスペイン語を学ぶことを
助長させたのだと思う
いずれにしても
まさか自分自身が
ここまでスペイン語を話す人になるとは
その昔は
想像もしていなかったことである
時にこのような
どこからかやってくるチャンスもあるのだと
不思議に思うのである
チャンスを活かすかどうかは
自分次第であることは
言うまでもないが
きっと日々の生活にも
不思議なチャンスが
散りばめられているに
違いない
そんな瞬間、瞬間を
見逃さないように
していきたい
La Carrière -Mariko