人気のない日なた

カフェで窓際に座ると
外からの太陽が
眩しく、暑いことがある

時折
そんな席が恋しくなる

先日入ったカフェは
いつの間に気が付くと
窓際のカウンター席は
私一人になっていた

日本人は太陽とあまり
仲良くないのだと思う

例えば街を歩く人は
サングラスをしていない
私の母は
紫外線が原因で白内障の手術をしたが
サングラスはするようにと
眼科医からも言われている

私もサングラスなしで
街を歩くのが難しい人である

そして太陽を浴びると
シミやそばかすができるからと
極端に避ける人が多いのである

それは確かに一理あり
皮膚がんの可能性が下がることもあり
正しいと思うが

それでも太陽の光に当たり
ただただその熱量を
自分の身体に浴びながら
本を読んだり
海を眺めた日々が
恋しくなるのである

サングラスをして
日光浴など
一般的な日本人の価値観では
決して勧められるものではないが
私は、これが好きなのである

太陽を浴びる自由があっても
良いではないか

すぐにブラインドを下げる人に
私は声を大にして言いたい

ふと気が付くと
二人となりに誰かが座っている

明らかに外国人と分かる
男性であった

彼はサングラスをしながら
窓の外を眺め
コーヒーを楽しんでいるのであった

La Carrière -Mariko