地方都市の魅力

住めば都というのは
日本も海外も
全く同じである

住み始めて
一年もすると
その土地での住み方
快適な過ごし方が
分かるものである

頭で理解するのとは違い
心地良く生活できるようになる

言った方が
正しいかもしれない

しかし
心地よく生活できるようになるまで
想像しなかった
苦労も多かったことは
昨日のブログ
地方転勤から学んだ問いにも記載した通りだ

女性に年齢や
既婚の有無を問うことが
マナー違反なのか
ハラスメントなのか
という問題はさておき

良い歳をした標準語を話す女性が
地方都市で
一人暮らしをしているのである

そのような質問を
タクシーの運転手から
果物屋や居酒屋の大将にまで
ひたすら
受け続けることにだけは
正直
参ってしまった

海外出張や東京への出張も多かったが
スーツケースでタクシーに乗る度に
旅行かと聞かれることも
いちいち
私をいらつかせた

スーツ姿で旅行へ
誰が行くのかと
逆に問うてみたいと
何度思ったことか
分からない

しかし
彼らに悪気はない

一方的に
気分を害しているのは
私自身の
勝手な思い込みでもある

東京生活の常識と
地方都市の常識を
同じ物差しで
測ってはならないのだ

ある日
ビビアンウェストウッドのスカートを
身に付けていた際

踏切が開くのを待っている時
突然
お歳を召された女性に
話しかけられた

あなたこのスカート
切れているんじゃないの

ビビアンのデザインは
非対称なものも多く
確かに
パッと見ると
スカートが切ってあるように
見えなくもない

どう答えていいか迷ったが

御親切にありがとうございます
これは
こういうデザインのものなのです

一周、くるりとスカートを見せた

私の言葉に
彼女は眼を大きく見開き

まぁ、そうなのね
そんなもの
見るのも初めてだわ
最近の若い人は
変わったものを好むのねぇ
でも
あなたに似合っているわよ


とびきりの笑顔で
返してくれたのだ

とても爽やかで
気持のよい
瞬間でもあった

このように
見知らぬ人が
見知らぬ誰かに
話しかけられる場所が
まだ日本にも残っているのだ

そしてそれが
地方都市の魅力なのだと
実感した

東京でこのような会話は
少なくとも
私の東京生活では
経験したことがなかったものである

La Carrière -Mariko