雪のある風景

子どもの頃は
雪が楽しみで仕方がなかった
雪遊びを夢見て
たくさん積もっている日が来るのが
楽しみであった

けれど
いつの間にか大人になるにつれ
雪が降ると
都会の公共交通網はマヒし
会社や学校へ
時間通り行けなくなることを学び

雪が降ることを
大手を振って
喜べなくなっていく

雪をかぶった風景は
いつも見ていたものと
大きく違う

白い化粧をされて
それはそれは、美しく見える

一方で
雪が解けていくと
今度は水となり
隠されていたものが見え
泥汚れさえもが
目立つ風景となっていく

雪が覆う度に
いつも美しくあることとの
共通性を
感じさせられる

雪が降り
周囲を美しくするのは
一瞬の出来事である

そして
その一瞬の出来事を
保ち続けることは
大変難しいということである

そして
美しさが失われていくのは一瞬
さらに
その先にあるのは
泥水や泥汚れというもので
美しさどころか
綺麗に見えないものを
さらけ出すことにもなりかねない

雪のある風景を見ながら
美しく歩き続けることの
難しさを
考察するのであった

La Carrière -Mariko