土地を愛でる

年末年始を京都で過ごして
痛感したことがある

それは京都という土地に宿る
古き良き日本人の
心とか伝統というか
魂のようなものである

昔の日本人たちは
生活の中にも
美学があったのかもしれないと、思う

例えば茶道や華道
こちらもそれぞれの手順に
意味があるのと同じく

美しい動作と
相手を思いやるということを
両立させている

京都の街を歩きながら
古き良きものが残され
古き悪しきものがなくなり
新しく生まれたものが
融合されていく姿を目にして

この街が好きだと
痛感する

土地に愛されること
それは住んでいる上で
非常に重要なことである

出身地だから好きなのだという
言い訳もあるかもしれないが

古きものと
新しきものが
共存しながら
変っていくエネルギーが
好きなのだと
直感的に理解できたのは

とある神社に足を踏み入れた時であった

古くからある神社だが
その周辺は
既に整備された歩道や
観光向けの道路が
広がっている

美しくあること
けれども
変わり続けること

その難しさと
価値を
再認識したのである

そしてまた別の場所で
整備されていながらも
古くからそこで育つ
植物の力強さに
勇気づけられるのである

竹林の道が
あまりにも有名だが
本当に美しい

夫の住む国にも
竹林の道があり
竹の大聖堂と異名を持つ場所があるが

その景色は野性的な
美しさがあり

京都のそれは
人の手が加わった
美しさである

京都を愛でることは
美しさを
愛でることでもあると
痛感した
滞在であった

La Carrière -Mariko