フランス語のラジオ

ある日
自宅に帰ると
夫がラジオを聞いていた

それは
フランス語のラジオであった

フランス語の音は
母音をはっきりというスペイン語と
大きく違い
なんとも優しく聞こえる

懐かしい音であった

パリに住み始めて
最初に習慣にしたことが
朝起きて
テレビをつけることであった

私は基本的に
テレビを持たないことが
多いが
初めて言語に触れる時

その言葉の流れる
テレビやラジオを聞くことは
大変意味があると考えている

言葉の意味が分からなくても
音のシャワーを浴びることで
その国の人たちの
話す音に鳴れるということである

フランスに住んでいた時は
週に一度の割合から
月に二度くらいの頻度で
フランス語のレッスンを受けていたが

その先生は
普段は生徒を相手にしており
なぜか宿題が多くて
やり切れないほどの
宿題に
毎回
授業に出るのが
苦痛になっていったことを思い出す

フランス語と
向き合わなくなってから
もう
何年かが過ぎたが

また
近いうちに
この言葉と
向き合いたいと
思うのであった

フランス語のラジオを
時折聞きながら
懐かしいような
心地よさを感じている

優しい風が吹いているようだ

La Carrière -Mariko