女性専用車両の違和感

電車の乗り換えだけを
考えて
電車の最後両に
乗り込んだ

今や私のスケジュールを
最優先に埋めていく
高度生殖医療を受けるための
病院通いである

せめて病院での時間や
移動時間を無駄にせぬよう
本を読んだり
仕事をしたりしながら

工夫をしている

その日もKindleを片手に
本に夢中になっていた

降りる駅までの時間をしりたくなり
ふと視線を揚げると
周囲には女性しかいないことに
気が付いた

これは噂の女性専用車両である

私は満員電車には乗らないと決めた

だから
そういうものと
無縁の生活なのであった

そんなこともあり
初めてこの空間の違和感を
味わうことになった

日本ではこのような取り組みを
せざるを得なくなるほど
性に関する感覚が
遅れているのかもしれないと
頭の中で考えた

ラテンアメリカの人々の集まりで
女性専用車両のことを
聞かれたこともあったのを
ふと思い出した

電車の中で起こる
犯罪のことを
ラテン人たちは
不思議に思っているようであった

もちろんラテンアメリカでは
スリに気を付けるという
別の意味での犯罪に対する
対策は必要なことは
皆分かっている

日本人女性が
本当に美しくあることに
目覚めたら

世界が変わるのかもしれないと
思った朝であった

La Carrière -Mariko