いよいよ、日本へ

本当に私の帰国劇は
まるで誰かが
私の意図をくみ取ってくれたかのように
スムーズであった

引っ越しをし
家を引き払う
生活に最低限必要なものを
トランクに詰め込み
ホテルへ移る

それだけのことかもしれないが
ここは
日本とは違う

全てがうまく行かないことが多い

引っ越し業者が時間通り
来るのかどうかも
怪しい

インターネットの解約など
色々と手続きも
簡単ではない

しかし
後任の方が
今の我が家に住んでくれるという
嬉しい答えを出してくれた故
それらについても
名義変更手続きだけでよくなった

これは本当に
運と宇宙が
私を味方してくれている証拠である

家具の譲り先も
当初
いくつか廃棄処分するための
方法で悩んでいたのだが

結局
ほぼすべてを引き取ってくれる人が
見つかったのである

不思議なものである
でも
これもなぜか
私は知っていたような気がするのだ

心配は無用であると
誰かが私に囁いているのを
確かに聞いた気がするのだ

脳科学の仕組みともいえるが

心配をする人のところには
悪いことが起こる
一方で

成功することにフォーカスする人には
良いことしか起きない

このことが
とても意味を持つのだと
再認識した出来事でもあった

帰りのフライトも
国内線が間引き運航のため
ほとんど空席がない

航空会社も3列シートに
一人しか乗せないなどの
工夫をしているためである

それでも
希望通りのフライトが取れ
日本には10日の朝に
到着することになる

前代未聞のCPR検査と
その結果を待つという時間があり
空港の外へ出られるのは
何時間後なのか
皆目見当がつかないが

全てがうまくいくことを
確信している

私はこれから
母になるために
日本に帰るのだ

ハイヒールのある日常に
戻れることを
嬉しさのあふれるエネルギーとして
生きるために
日本に帰るのだ

後ろ髪惹かれていた思いは
いつしか
新しい決断へと変わり

苦しんだ日々は
数々の出会いを運んでくれた
良き思い出へと
姿を変えるものである

ありがとうの気持ちを
出会った土地と人
そして彩のある毎日に
心を込めて、捧げる

Hasta luego, mi querido México.
またね、愛するメキシコよ

La Carrière -Mariko