ハイヒールと身体のサイン

さすがにメキシコを発つまでに
いざ、カウントダウンが始まると
同時に
寝不足の毎日が訪れる

私の身体は正直である

疲れてくると
最初に口内炎ができたり
噛み合わせが悪くなり
食事の際に唇を噛んでしまったりする
さらに疲れると
鼻血が急に出てくることや
舌がぴりぴりとするような感覚に
襲われる

これらはすべて
身体からのサインであることを
私は長年の経験から
学んでいた

そしてさらに
身体からのサインを待たずとも
状態を知る方法がある

それは、ハイヒールである

足をハイヒールに入れると
一瞬で
自分の足が浮腫んでいることが
分かるものである

前日に会食で
お酒やお水をたくさん摂取していると
これはさらに
顕著に現れる

ハイヒールは、嘘をつかない

大切なのは
普段自分が
どのように感じているのか

一歩を踏み出す時であったり
母指球に体重を乗せている時であったり

普段の感覚と
寝不足であったり
水分を取りすぎた後の日の
状況が
どれだけ違うのかを
感じることでもある

フラットシューズでも
足にぴったりであれば
同じように
感じられるのかもしれないが

ハイヒールは基本
足のサイズと
ぴったりでなくてはならない

そうでなければ
靴擦れの原因にもなってしまうし
大きすぎても
脱げてしまって
大事な一歩に
意志を込められないのである

連日の疲れが
身体に出始める前に
ハイヒールは
私に警告する

ちょっと水分を控えた方が良いわ
もしくは
もう少し眠らないと

などということを言うのである

こうしたことに
敏感になれるのは
120ミリのルブタンに
足を入れてから
尚更である

120ミリのルブタンは
当然ながら
足の甲が立っている
そのため
サイズが
いつも履いているものよりも
小さめなのである

だからこそ余計に
私はハイヒールから
身体のサインを知るのである

ハイヒールを日常のパートナーにすることは
こうした
新たな気付きを得るチャンスにもなり得ることを
知って頂けたらと思う

La Carrière -Mariko