パリ生活時代
私にとって
凱旋門は
苦い思い出の場所でもある
凱旋門をぐるりと回る
いわゆる、周回道路に
夜の混雑時に
突っ込んだのである
フランスの運転ルールで
もっとも納得できないものが
右側からの優先ルールである
端的に申し上げると
合流時に
右側から来ている方が
優先されるのである
凱旋門のまわりは
ぐるりと円を描くような
いわゆる
ラーンナバウトと呼ばれる作りをした
道路である
その凱旋門を周回する道路に
四方八方から車が合流してくるのだが
基本、右優先のルールに従うと
周回道路から出て行く車より
入っていく車の方が
優先されてしまう
結果
次から次へと右優先で
車が進入してくるものだから
一度周回道路に入ると
出るのが難しく
これがさらなる渋滞を引き起こすのである
ナビに言われるがまま従ったところ
うかつにも
この凱旋門の周回道路に
飛び込んでしまったことがある
このときは
恐怖と自己主張との戦いであった
それ以来
仮に凱旋門周辺で、周回しなければならない時は
敢えて
一つ外側の道路を使い
廻り道をするようになった
歩いての観光には
最高の立地である凱旋門も
視点を変えてみると
全く違って移るものである
歩いて近寄る分には
申し分のない場所だが
車で
混雑している時間に近づくのは
私はもう、御免である
これから車でパリ観光をされる方で
自分を試したい方にはお勧めするが
基本的には
車で周回道路を走ることは
あまりお勧めとは言えない
凱旋門に近寄るな
パリの苦い思い出の
一つである
La Carrière -Mariko