今が谷底なのだとしたら

自分の力だけでは
どうしようもないことがあった時
私にしては珍しく
落ち込みを隠せなかった

そんな時
信頼を置いている
メキシコ人のとある人に言われた言葉

大事なのは
悲しむのではなくて
自分が明るく
毎日を楽しんで生きること

身体が言うことを聞かないことも
薬が効かないこともある

でも
そんなことはどうでもいいのだ

今が谷底なのだとしたら
これから全てがよくなるだけだ

毎日生きていることに
感謝と喜びを持つこと
落ち込まないこと
ストレスを抱えこまないこと

笑いなさい

大丈夫
全てがうまくいくから

ということであった

そう
今が谷底なのだとしたら
這い上がるしかないのである

這い上がるのに
多少の力がいるかもしれない

でも
そんなときに
気分転換になるような
出来事が
ふと降ってくることもあるのだ

底にいると
どうしても
視界が狭くなる

底から這い上がり
広い平原に出た日には
どこまでも続く
美しい草原や
太陽が見えるだろう

だから
今が底なのだとしたら

良くなるしか
あり得ないのである

そう
私は変わっていけるはずだ

もし
貴女が今
人生の底にいて
辛い思いをしているのであれば

どうか思いだして欲しい

それは
底にいるのなら
もう、上がるしかないということである

ハイヒールをはくと
視界がほんの少し
高くなる

視界が高くなると
今まで見てきた風景も
別の景色に変わることもある

つらい時
大変な時こそ
自分にある
小さな可能性を信じよう

ハイヒールに
足を入れてみると
その可能性を
感じることが
できるかもしれない

落ち込んだ時
もし気分転換になる出来事を
探せないでいるのであれば

ハイヒールに足を通すことを
お勧めしたい

素晴らしい靴は
素晴らしい場所へ
貴女を連れて行ってくれるのだと
昔から言うではないか

そしてそれが
真実であることを
歩きながら
確かめるのだ

私もハイヒールを履いて
つらい出来事を
いくつも
乗り越えてきた

そして
これからも
乗り越えていく

なぜなら
今が谷底なのだとしたら
これ以上の底はないのだから

ハイヒールに身を委ねてみると
底から少しでも這い上がった私に
出会えるはずだ

いつもより少し高い視線から
自分を見渡すということ

それは
ハイヒールにしか
できないことでもある

La Carrière -Mariko