言語による不都合の消失

この10年で
インターネットの技術は
本当に発達したと
痛感している

中でも
スマートフォーンの普及は
日本語を母国語とする
独自文字を持つ私たちにとって 

革命に値する出来事であった

ITに詳しい方なら
お分かりかと思うが
2バイト文字と呼ばれ
(現在は字体によって異なるが)

携帯電話などで
テキストを送付する際は
アルファベットで
日本語を打つか

英語やその他
アルファベットに依存する言語で
わざわざ
連絡をしていたのだ

スマートフォーンの登場で
日本語のテキストを打ち
メールも送れるようになった

車の運転や街歩きの際に
ナビゲーションを買う必要も
なくなった

さらにナビゲーションも
日本語を話すのだから
驚きである

翻訳もスマートフォーンに
お任せできる

使ったお金や預金
支払いまでもが
電話一台で終わり

日本語のラジオやテレビでさえも
簡単に手に入る

そんな時代になったのだ

主に言語によって
不便だとか不都合と感じていた障害が
取り除かれたということである

こうなってくると
海外生活を送っているようで

実は日本の生活を
そのまま、外へ持ち出しているようにさえも
感じられる

もちろん
全てが同じ様にはならなず

食べ物や衣類
雑貨や日用品は
そうはいかないが

日本の生活は
どこででも再現できるようになりつつあるのである

これは便利なことではあるが
一方で
言語や文化を学びに来ている人達にとっては
新たな誘惑が増えたという意味でもある

語学に自信がない人は
つい
母国語に頼りがちである

便利になることは
一方で不便な楽しみを失うことでもある

そして
その不便さを乗り越える力を
身に付ける機会を
失うことでもある

不都合が消えたことで
新しい不都合が生まれる事実

恩恵を活かすのも
不都合を活かすのも
最後は自分次第なのである

言語による障壁は
確実に低くなりつつある

海外へ出かける際の
大きな壁の一つが
崩れようとしている

このチャンスを
見逃してはならない

La Carrière -Mariko