二人が決めたこと

恋人に裏切られた友人がいる

第三者の視線から
彼女を裏切ったはずの彼を
また信じようとする彼女を
馬鹿だと言う人の方が多いかもしれない

浮気ではなく
金銭が絡んだトラブルであった

彼女は彼のことを
心から愛していたし
彼も彼女のことを
心から愛していたのではと思う

色々あったが
二人は
また出直すことを決めたという

真実を聞いた人たちが
二人の出直しを
心から祝えるのかと問われると
正直難しいと思う人も多いだろう

しかし
私は二人を応援したいと思ったのだ

浮気や金銭トラブルなど
一人が二人になったことで
トラブルも二倍になるのは
事実である

裏切られたと思う人もいれば
仕方がないと感じる人もいる

相談されたり
第三者の立場から
話を聞く際
中立の立場を維持するのは
簡単なことではない

人間には感情というものが存在する

それは
客観的に見た事実を
一筋縄でいかないようにする
色眼鏡でもある

しかし
事実は事実
感情は感情なのである

とある事実に対する感情は
人それぞれであるし
それをコントロールすることの難しさも
大人になると分かってくる

彼のことを許せないと感じる人もいれば
本人が良いなら
許せばいいと思う人もいるだろう

トラブルというのは
見方によって
問題の中心が異なってくる

背景に重きを置く人もいれば
理由や動機が問題になる人もいる
もしくは
感情や性格そのものが
問題の中心になることもある

問題を何と捉えるかは
当事者である二人が決めることである

二人は長い話し合いを持ったという

彼女の性格を考えると
最後は
もう一度やり直すと言うのではないかと
思っていたのだが

結果的にそうなった

私は彼女の強さを知っている

まわりにどう言われたとしても
これは二人が決めたことなのだ

二人で出直すのだということを

その決意を
彼女がしたということを
心から素晴らしいと感じた

金銭が絡む問題の場合
多くの人が
二人の関係を再構築することを
好ましく思わないだろう

そして
私も彼女の近くにいる人の一人として
心配をしないわけではない

ただ
やり直すかどうか
やり直せるかどうかは
彼女と彼の二人が決めることであり
周囲の人が決めることではないのだ

強い意志を示したことで
より二人の関係が深まることを
ただ見守りたいと思う

La Carrière -Mariko