先日、イチロー選手が
引退の記者会見で
おにぎりについて触れていたが
私も
仕事で踏ん張らなければと思う時
力を振り絞りたい時は
おにぎりを食べることにしている
いわば
私のソウルフードである
が、正直なところ
メキシコでそれをいつも実現するのは難しい
たまに朝早くから
勝負の出張に出かけたり
ロングフライトで外出する時は
前の日に作るなどして
持って行く時がある程度だ
メキシコ人のソウルフードは
言わずと知れた
タコスであることがほとんどである
しかも
一般的に世間がイメージするタコスは
アメリカ人が広めたとも言われる
イメージが先行する
しかし、これと全く違うのが
メキシコのタコスである
これは、私の個人の意見ではない
世界各国の人が口を揃えていうのだ
タコスがこれだけ美味しいものだとは
知らなかった、と
レストランのようなお店もあれば
縁日のような屋台まで
タコス屋は値段も味も
バリエーションに富んでいる
トルティージャとよばれる
トウモロコシや小麦で作った
薄いクレープのような生地に
牛肉、鶏肉やマグロや白身魚
海老の天ぷらのようなフライまで
とにかく
好きな具材をのせて巻いて食べるのである
確かにおにぎりは捨てがたいが
タコスはすでに私の
メキシコでのソウルフードである
田舎の街角で
都会のレストランで
バスターミナルの屋台から
ミシュラン星付きのレストランまで
至るところで
タコスがメニューになっている
とにかく
メキシコ人のタコス愛は半端ない
お祝い事があれば、タコス
小腹が空いたら、タコス
朝ごはんにも、タコス
昼も夜も
タコスがあれば幸せと言うのである
愛すべき食べ物があることは幸せである
私たちは
命をもらって生きているのだ
他の生き物の生命を口にし
今日という日を生きる糧にしているのである
その中でも
ソウルフードと呼ぶものがあるのなら
それは生命だけでなく
食べ物が育った土地
育てた人たちの心や魂をも
力に変える食べ物でもある
身となり血となる食べ物から受ける恩恵は
計り知れない
La Carrière -Mariko