縁あって
欧州と仕事を始めてから
気が付くと15年以上の
月日が過ぎていた
最初にスペインに住んだ時
それは秋も深まる
11月のことであった
2005年のことである
スペインという土地に
初めて降り立ったのである
当時はスペイン語も
ままならない状態であった
それでも私は
スペイン語を片言で話しながら
人懐っこい人々に囲まれて
楽しい日を始めようとしているところであった
あれから15年
今も日本の人々に
知ってもらいたいことがある
それは
欧州という言葉
その言葉に惑わされないで欲しいという気持ちである
どうしても国単位ではなく
地域単位で話をする
仕事の機会に接することがある
その時に私はいつも言うのだ
欧州とひとくくりにしないで欲しい、と
欧州とは
小国の集まりである
言葉も文化も違う
国と国とが集まって
ただ共同体をつくったのが
EUのスタートである
日本の人々は
欧州は、とか、ヨーロッパは、と
すぐ口にするが
本当のヨーロッパは
一言で語りつくせるほど
単純なものではない
いつも私が使う例えは
欧州のイメージは
日本と韓国と北朝鮮
そして中国と台湾とタイが
一緒に仕事をしていて
その本部が香港にあるような感じ
だから欧州と一言で
くくろうなどと
考えないで欲しい
という言葉である
ヨーロッパ、欧州という地域に
少なくとも住んだり
仕事でお付き合いのある方なら
私の例えを
理解していただけるのではないかと思うが
とにかく
欧州という言葉に
惑わされないで頂きたいと思う
異文化理解の最初の一歩は
相手のことを理解すること
そういう意味でも
欧州という単位だけで
モノを見ることは
なかなか
難しいことが
お分かりいただけるのでは
ないだろうか
La Carrière -Mariko