海外から引っ越しをすると
必要最低限の荷物を
スーツケースで運び
最初に
航空便が自宅に届き
その数か月あとに
船便が届くことになる
この船便が
なかなか厄介で
現地では必要と思い
日本へ出したものが
結局不要になってしまったり
することも多々ある
さらには長距離を船で運ぶこともあり
温度管理がままならない状況であることから
洋服などが
変色することも
しょっちゅうである
人生で
何度も引っ越しをしているのだから
そろそろ
荷物を
減らしてもいいはずだが
そうもいかないのである
私の一番の荷物は
本である
今回ずいぶん捨てたのだが
それでも
かなりの量を占めている
洋服なども本当は
もっと減らせばよかったと
思っているが
当時はそこまで
頭が回っていなかったのも事実で
とにかく
段ボールに詰め込むのが
精一杯であった
そんなわけで
私は自宅を
郊外に構えることを決め
ある程度荷物が入ることを想定した
収納のある家に
住み始めることとなった
正直まだ
住むというレベルに至っていない
スーツケースから
服や必要なものを出すが
今度はそれらを
片づける家具がないことに
気がつく
何よりも
今回
日本で
夫と初めて
二人で暮らすこと
それが私にとって
私たちにとって
大きな変化でもある
だから家具を
一人で選ぶというのも
気が引けてしまう
そんなこともあり
なかなか
引っ越しが進んでいない
いずれにしても
家が決まった今
すべきことは分かっており
あとは
決めることを決めて
荷物がやってくるのを
待つことになる
引っ越しが進まないと
落ち着かないものである
ASAMIさんがいつも
生活の中に
美学をと
おっしゃっている理由が
ここにあるのだと
痛感した
なぜなら
住んでいる場所が
落ち着かない
つまり
整然としていないと
生活や自分の生き方までもが
だらしなくなってしまうからである
そんなことを
痛感した私は
片づけられるものを
暫定でもいいからと
とにかく
棚や収納に
仕舞い込むこととした
美学のチカラとは
こういう時に
役立つものなのだと
そのチカラを再認識したのであった
生活を整えることは
人生が美しく
素晴らしいものになるための
第一歩なのだと
身をもって痛感するのであった
La Carrière -Mariko