お褒めに預かり、恐悦至極でございます

私は昔から
他人に褒めらえることが
苦手である

それは褒められるほど
すごいことをやったという
実感がないからなのかもしれないが

自分よりもすごい人は
世の中に
何千、何万といると
知っているから
余計にそう感じるのかもしれないと、思う

褒められて嬉しいかと聞かれると
もちろん、嬉しい

けれど、褒められたあとに
どう反応していいのかが
分からないというのが
本当のところである

メキシコの帰国直前の話であるが

私が日本に帰るということになり
とある人が訪れてきて
共に食事をすることになった

とある人とは

私が3月に
乗り越えなければならなかった
試験のために

多少の準備も必要ということで
過去の経験者の方から
アドバイスをもらう機会があった

そのアドバイザーの一人である

その人が
私にこう言ってくれた

発想、思考、発言内容、行動力など、
改めてそれら全てにおいて才能
それも天性のものを感じた

ここまで言われると
さすがに
褒められることに鈍感な私でも
本当にベタ褒めされているように感じるが

私自身
そんなに有能なマネージャーでも
聡明で何でもこなせる器用な人でも
何でもないことくらい
自分でも分かる

そしてこういう時に
どういう返事をしていいのか
困ってしまうのである

だから私は人並みすぎるが
お褒めに預かり、恐悦至極でございます
などと
返すのである

我ながら笑ってしまう

時折
ASAMIさんもレッスンの際に
私の良いところを
きちんと褒めて下さるが

その時のコメントは
なぜか素直に受け止められるのが
不思議で仕方がない

きっとそれは
ハイヒールとエネルギーという
自分の何か憧れというか
夢のようなものに
直結するからではないかと
思ったりするのである

人の心とは
何とも難しいものである

私は褒められることに
慣れていないが
それでも褒められた時に
嬉しいと思えるのは
どうしてなのだろうかと
ついつい考えてしまうのである

今度は
仕事だけではなく
ハイヒールを身に付けた時の美しさにおいても
誰かに
褒めて頂けるような
そういう人になりたい

La Carrière -Mariko