続、告白の続き

この1年数か月あまり
不妊治療に取り組んできたことは
告白
続、告白
不妊治療と異文化理解
で、少しづつ書いてきたが

一つ目の病院から転院し
二つ目の病院に移り
今度こそはと思って臨んだのだが
やはりこれも上手くはいかなかった

二つ目の病院は
日本の有名な病院で
研修を受けたこともある
名のあるメディカルドクターでもあった

ブラジルへ出張する際に
航空機を持参する必要もあった

預け荷物に入れたが
スーツケースのロックが解除されており
経由地のパナマで開けられていた

やはり、と思った

もしこれで注射が打てなければ
それはもう、私の自業自得と思い
腹を割るしかなった

会社の人々や周囲の人に
出張に行きたくないとも告白できず
自分で答えを出すしかなかった

大事な主張であることは分かっていた

でもこの時ほど
出張へ行きたくないと
心から思ったことは、ない

神に祈る気持ちで
ホテルに着いてスーツケースを開けたところ
注射と薬剤は無事であった
やはりドクターからのレターを
同封しておいてよかったと
胸をなでおろした瞬間でもあった

ある日は
出張の移動中に
自分に注射をしなければならず
早朝の運転手がいる車の中で
ひっそりと後部座席で
自分で自分に注射を打つこともあった

その時ほど
私は何のために
こんなことをやっているのだろうかと

仕事と不妊治療
二つの両立の難しさを
呪うしかなかった

さらに
この病院で処方された薬をきっかけに
私のホルモンバランスは
さらに崩れることになった

もう、限界かもしれない

そう思いながら
私は薬をやめる決意をするに至る
そして
日本で検査を受けたいと
思うようになった

話が少し横にそれるが

欧米での不妊治療では
ドナー卵子が認められている

これは
母になる、という行為に
価値を置いているためである

一方でアジアの国は
血筋に対するこだわりが強く
結果
自分の卵子、精子の質を上げて
妊娠することに拘っている

三件目に行った病院で
女性ドクターとそんなことを
話し合った
会社で公私共々仲良くしている
スタッフが教えてくれた病院だった

ドナー卵子の良し悪しは
議論するつもりはないが
その考え方の違いもあり
私の中で
日本で治療を受けたい気持ちが
どんどん膨れ上がっていった

日本に帰ること

それは
自ら手を挙げなければ
ならないことでもあった

自分を肯定することが大事と
よくインターネットでも
本でも
偉人達が言うが

不妊治療がうまくいかない時
自分を肯定しつつ
これまで築いてきたキャリアであったり
仕事であったり地位を捨てるしかないと
分かった時
どのように肯定するべきなのか
正直分からない

苦しい決断を迫られた

日本で生活することは
決して悪いことではない

でも
私は日本ではない場所で
働いている方が
自分に向いていることも
熟知していた

異文化が融合できる場所こそ
私が心地よい場所であることを
知っているからである

だからこそ
余計につらかった

自分で手に入れたチャンスを
自分の手で摘み取らなければ
ならなかった

でも母になるという夢に
嘘は付けなかった

世の中で
妊娠している女性たち
子どもを連れている女性たちが
本当にうらやましく思えた

日本に、帰らせてください

その言葉の重みは
一生忘れることはないだろう

La Carrière -Mariko