十四年ぶりの、再会

心に元気が欲しいと思った日に
私は十四年ぶりに
とある日本人アーティストの
アルバムを買った

世の中便利なものである

今や手元の電話で
音楽さえも気軽に買える時代になったのだ

昔はCD屋に事前予約をして
特典をもらいにいこうだとか
限定のCDだとか
そういうものにこそ
価値があったように思うが

今は
中身が勝負の時代だということだ

久々に聞くその人の声は
とても新鮮であった

十年を超える歳月で
このアーティストも歳を重ね
違う魅力を持った人として
発信をしているという事実に
改めて
一流であることのすごさを
感じる一瞬でもあった

私にとっては、今は正念場である

それは身体にも、心にも、である

仕事にハイヒールに
プライベートの出来事に

女性というのは
こんなにも忙しい生き物で
それに耐えられるというのが
またすごいことである

十四年ぶりのアーティストの再会で
私は昔の私が夢見た姿と
今の私が夢見ている姿の違いを
改めて書きだしたいと思ったのだ

教育者を目指していた十、二十代の頃
その時のターゲットは
生徒たちであった

でも今の私は知っている
人生で学校に滞在できる時間は
ほんの一瞬なんだということ

そして社会に出てからの方が
人生は長く
自分を示すものを探し
目指す方向を定めなければ
ただ
身を時間に委ねて
生きていくしかなくなるのだ

私はこれから
また
新しい私にチャレンジする

そんな気持ちを
この再会は
私にくれたようだ

La Carrière -Mariko