魔法使いになりたかった、私

幼いころに夢見た
大人になったらなりたいもの

それらの変遷をたどることは
恥ずかしいような
そして懐かしいような
特別な気持ちと
向き合うことでもある

いろんな職業に憧れたが
私が今でも
誰にでも
堂々と言っている唯一の憧れの職業が
魔法使い、である

子どもの頃、公園で
ほうきに乗って
空を飛ぶ練習をしていたことがあった

母親に
今日も飛べなかったと報告すると
それは練習が足りないからね
明日も頑張りなさいと
笑顔で返事があった

私は魔法使いになれるのだと
今でもどこかで思っている

問題は
どんな魔法を使うのか、である

現時点
ほうきで空を飛ぶことは
まだ叶っていないが

私は言葉を得て
外国語を得て
ビジネスの経験を得て
多様性文化の中で生きるという経験を
得ることができた

この経験をどう活かすか

それが私の魔法であるべきなのだ

空は飛べない
瞬間移動もできない
遠くの誰かの心の声も聞けないが

私だけの強みというものが
魔法に変わっていくということを
私は知っている

幼いころに夢見た姿とは少し違っているが
ハイヒールを通じて
人が変わっていくという事実は
ある意味
魔法に近いものがある

そう
人は成長するということが
できる生き物なのだ

魔法使いになりたかった私は
今日もまだ、顕在である

全ての人が
成長すること
変化を遂げることを
促進できる人でありたい

言葉や意味は変わっても
私にとっては
変化し続けることが
人生の醍醐味なのであるということを
子どもの頃の夢から
悟るのであった

自分の夢物語の変遷を
書き出すことは
自分の成長を知る鍵でもある

La Carrière -Mariko