山のように積まれた女性誌の中から
自分に合う雑誌を見つけ出すのは
簡単なことではない
日本に住んでいた時は
湯船につかりながら
雑誌を眺める時間が
至福の時でもあった
大抵の場合は
経済誌や科学雑誌
料理や旅行などの雑誌が
多かったが
時々
女性誌やファッション雑誌も買っていた
しかし
常に同じようなテーマが
必ずどこかに
掲載されていることに
気がついたのだ
流行
着回し
メイク
骨盤
おしゃれ
カワイイ
女子
これらの言葉が出てこない雑誌を
探すことほど
困難なことはない
自分にとって価値のあることとは
こんな言葉だったのだろうか
価値がないと思うのならば
こんな言葉ばかりを
外から浴びていても
満足できないのは
当たり前である
今の時代
皆が知っていることでもあるが
流行は敢えてコマーシャル的な理由から
作られているものでもある
流行が悪いとは言っていない
自分のスタイルを持たずに
ただまわりに流される人が
いかに多いのかということを
雑誌を見ながら
感じるのである
日本人は周囲の人に合わせるのが好きである
それも自分の意思で
周囲に合わせることができるのだから
大した能力であるとも言える
自分のスタイルが
こうあるべきだというのは
生き方にも表れる
一人ひとりのキャリアが、人生が
誰にも真似されないものであるのと同様
それぞれのスタイルも
決して同じものは
存在しないはずである
ファッション雑誌に惑わされない勇気
自分をさらけ出す強い軸
その二つがあれば
流行がどんなものであれ
自分のスタイルを貫くことができる
美しさの基準は
自分の中に持ち
それを貫くことは
難しいことでもあるが
実は簡単なことでもある
周囲に流されないこと
自分を持つこと
それが最短の近道である
そして、ハイヒールはその道しるべになる
La Carrière – Mariko