地方都市が新しい故郷になる時

生活が楽しくなり
友人や知人ができ始めた頃
本当にそれは
突然やってくる

それは新しい転勤辞令だ

これは
冗談でもなく
本当に数多の会社で
同じことが行われている

転勤を否定しているわけではないが
家族にとっては
生活環境が変わったり
学校や仕事を変えなければならない人もおり
決して
手放しで喜べるような
前向きなことばかりではない

最初は苦労ばかりで
苦しんだ熊本生活ではあったが

結局のところ
この土地に愛されたと思うし
私の愛する場所の一つとなった

人生で初めての
手術を受けたのも
東京へ戻った後ではあったが
結果的に熊本となった

どこでも
住めば都になる

それは世界でも
日本でも同じである

もちろん
住んでいる場所により
できること
できないことの
範囲がそれぞれ違うのは事実だ

日本の地方都市の魅力を
生活を通じて知った
熊本生活であった

特に私の場合
ヨーロッパの地方都市と
比べることが多かったが

どこも世界は同じなのだとも
思わされた

食糧の豊かさ
農作物の値段と新鮮さ
人々のあたたかさ
自然資源の力や
土地の素晴らしさ

密すぎる地元のお付き合い
不便にも感じる移動手段
限られた学びの場や機会

これは日本だけの話ではない

アメリカでも
ヨーロッパの小国でも
フランスやスペインの田舎でも
同じことが言える

ただ

良さも悪さも
すべて
受け止めたとき

住む土地に対する
自分の想いが
ある方向へ
導いてくれる

それはその土地の
愛し方であり
愛され方のことである

愛すべき場所は
どこにでも作ることができる

愛を持って
街と暮らし
人々と触れ合うことで
住む場所は
こんなにも快適になるのだと
思い知った

そして
熊本は
日本における
故郷の一つになった

La Carrière -Mariko