オレンジは一人きり

ラッシュアワーに
電車に乗る機会があった

すでに季節は秋に
突入しようかという今

人々の服装は
すでに秋の装いに
なろうとしている

そしてふと気が付いた
果物のような明るい
オレンジの薄手のニットを
身に付けているのは
私だけだということだ

皆、暗めのジャケットや
白や薄い色のシャツやニットを
身に付けていて

ビタミンカラーのような
洋服を身に付けている人が
誰もいないという事実に
驚いた

赤い服の人も
どちらかというと赤ではなく
エンジというのが正しく
原色のような色を
身にまとっている人は
誰一人いなかった

ビジネスの服装に
正しいとか
間違っているというのは
私はないと思っているが

ある程度
世間が考える常識というものがあり

もしかすると
私はそれを外しているのかもしれないが

オレンジ色のシャツに
ジャケットを羽織って
出社したこともあり

改めて人々が
着ることを楽しんでいるのかを
疑問に思ったのである

もし暗めのトーンの
スーツを着ることがあっても
足元だけは
赤いルブタンを
身に付けて

身にまとうことを
楽しめたらいいなと思う

La Carrière -Mariko