母の味,Ratatouille

私の母は
とても料理が好きで
特に
世界各国の
色々な料理を
食卓に並べるような
人である

私と妹が
小学生になってからは

ハーブを育て
それを使ったパスタを創ったり
ボルシチや
当時はまだ珍しかった
トムヤンクンスープなどを
食卓に並べた

子どもの頃に食べた
Ratatouille
日本語で、ラタトゥイユは

実は忘れられない味でもある

まだズッキーニが
スーパーで簡単に
手に入らなかった頃

母が輸入食材店で
買い求めてきた

そしてその日の食卓を前に
これがラタトゥイユかと

子ども心に喜んでいたところ

母が、なんと
ズッキーニとゴーヤを
間違えて買ってきたことを
告白したのであった

その日食べた
ラタトゥイユは
子どもの舌には
苦すぎて
つらい思い出となったが

このように
今から30年以上も前に
世界各国の料理を作っていた
母だったからこそ

今のような私が
育ったのだろうと
改めて思うのである

家庭料理から
世界を見るのもまた
異文化理解への
大きな一歩であると言えると

私は、思う

La Carrière -Mariko