一つの物語の終わり

メキシコでドナー卵子を勧められたが
日本の医療技術に助けられて
妊娠することを
数ヶ月ではあるが
味わうことができた

私のブログを
古くから読んでくださっている方には
既知のことではあるが

私は高度生殖医療のために
意を決して
日本へ帰ってきた

その甲斐あってか

数か月であるが
妊婦となることが
できたのだが

授かることができた
お腹の中の命が
天使となることが
知らされたのである

正直なところ

何よりも辛かったのは
お腹の中の命が
心拍を刻んでいるというのに
段々弱っていくのを

ただ見守るしかなかった
日々である

けれどこの子の命は
無駄にはしない

この子は私に
まだ妊娠できる
諦めることを考えるなと
忠告してくれたのだと思う

そして
子宮がきちんと動くことを
教えてくれたのである

さらに私は人間のエゴというもの
つまり
自分のエゴを思い知った

妊娠2ヶ月目くらいから
赤ちゃんの育ちが悪いことは
わかっていた
そして
その命が生きているというのに

できれば早く次のステップに
移りたいと
強く思ってしまうのである

なんともひどい親である

けれど
私はそれでも
母になりたい
なろうとしているのである

たった数ヶ月であったが
妊婦という姿の自分に出逢わせてくれた
お腹の命だった子に
感謝を込めて
今は向き合おうと思うのだ

世の中で子どもを授かりたいと
願っている全ての人に
素晴らしい愛と奇跡が
降り注ぐことを
本当に心から願ってやまない

一つの物語の終わりは
新しい物語への
スタートを
決意させてくれる

La Carrière -Mariko