女性は家の名義人にならないのか

日本に家を持ったことがない
私と夫だが
自分たちが住むだけでなく
誰に貸すことも視野に入れながら
家を買うことを考えたいと思い始めた

そんなことがきっかけで
家探しへ出かけようと
話し始めた

近所に新しいマンションが
建つというので
手始めの見学に、ということで
私の名前で申し込みをした

先方から誰と見に来るのかと聞かれ
当日夫と共に行くと返事をすると
先方から帰ってきたメールには

名義人となるご主人さまのお名前を
教えて下さいと
書いてあり

驚愕した

わざわざ私が自分の個人情報を出し
名前を出すのは
自分が名義人となる可能性からである

それなのに
そのような返事があり
正直幻滅してしまった

日本の社会では
女性とはそのような存在なのだ

夫に金銭的に養われ
家を買う人としては
見なされないのである

友人と一緒にいる間に
そのような連絡があったため
もうこの不動産会社との
取引は止めようと
心を決めた

自宅に帰ると
お詫びの手紙らしきものが
入っていたが
ただの言い訳であった

私はこの会社の
お客様相談窓口に
連絡しようかと思ったが

私のような存在の方が稀有なのであって
一般的には
独立した女性というのは
存在しないのが
当たり前なのだということを
考えて
止めることにした

いずれにしても
日本人の女性たちは
もう少し
自分という存在の価値を
考えるべきだと痛感した

夫の付属物としてしか
扱われないような世の中に
幻滅してしまった

女性とはかわいい飾りものでも
夫の付属物でもなんでもない

日本の社会が
一人の大人の女性が
一人の人間であることを
認め合える世の中になることを
願ってやまない

La Carrière -Mariko