ハイヒールで立つ

街を見下ろす窓辺の席に
座って
コーヒーを飲みながら
ブログを書く

これは
私の休日の小さな楽しみである

わざわざ家ではない場所を選ぶ

それは気分転換のためでもあるが
集中するためでもある

そして街行く人を眺めながら
時に思考を
今ではないいつかへ
ここではないどこかへ
持って行くという作業をするのだ

今日もたくさんの人が
誰かを待っている
駅前のビルの二階から
そんな風景を眺めている

立っている人もいれば
座ってゲームをしたり
携帯電話を触っている人もいる

立つというのは
簡単なようで
難しい

両足で地面に立つ

それは人間を特徴付ける
基本的な動作の一つでもある

直立二足歩行

それが私たち人類の
特権でもある

立ち姿が美しい人は
そうそうお目にかからない

ハイヒールで
立っている人も
皆無である
(この一時間ほどは少なくとも)

私もハイヒールで
直立不動で
長時間立っていることは
得意ではない

体重を一定のところへ集中させ
身体の筋肉を使うという
この作業

単純なようで
本当に奥が深い

ハイヒールで立つ時
どこに気を付けるべきか

答えは全て、なのだが
姿勢、体重をかける場所
頭の位置
腹筋、背筋

そのすべてを使って
身体が美しく
まっすぐになるように
仕向けなければならないのである

立ってハイヒールで仕事をする機会は
メキシコ時代よりも
大幅に減っているが

こうした場が減った分
日ごろ気を付けなければ
いざという時に
だらしのない私が
出てしまうのだなと
町行く人を見ながら

そう、思うのであった

La Carrière -Mariko