ハイヒールで街行く私

駅の改札前にある
スターバックスコーヒーで
ふぅと
ひと息する瞬間

なんだかとても
気分転換になる
貴重な時間でもある

外出の合間に
寄って
たった数十分でも
美味しい珈琲を飲む時間は
至福の時である

デカフェを飲むということを
徹底していることもあり
スターバックスは
私にとって貴重な
コーヒーを楽しめる店でもある

そして窓ガラス越しに
街行く人を眺めると
ハイヒール姿の人は
皆無であることに
気がつく

いや
正確には
ヒールのある靴を
履いている人はいるが

ピンヒールを履いている人は
ほとんどいない

言葉を変えると
目立つのである

そして
人々の足並みは早く
まるで

時間に追われているように
歩いている

ハイヒールの時は
時間に余裕をもって
動かねばならないことを
私は身をもって知っている

だから
急ぐのではなく
時間を事前に
読んでおくことが
大事である

ハイヒールで街行く私は
目立つかもしれないが

それは急ぎ足で歩いて
目立つ訳ではなく
多分
ゆっくりと
余裕がある形で
目立つのである

そして
目立つからこそ
姿勢に気をつけようと
思うのである

ハイヒールで街行く私よ
視線は貴女に注がれている

ルブタンが
私にそう
呟いているのが
聞こえた

焦らないこと

それは人生も
毎日の歩みも
同じなのだろう

La Carrière -Mariko