地方都市での国際的プロジェクト

国内出張が
解禁になり

私は久しぶりに
自分がかつて住んだ
地方都市の一つ
熊本へ足を運んだ

熊本へ行くのは
おそらく数年ぶり

しかしながら

仕事の関係で行くのは
実に自分が
かの地を去ってから
一度も戻っていないことに
気が付いた

震災のことなどを思い出す

当時はこの地に
世界から人材を集める話があり
イタリア、フランス
そしてアメリカから
人を呼び寄せて
プロジェクトを作ったことを
思い出した

あの頃の同僚たちは
みんな今
どこで何をしているのだろうか

フランスから来た彼は
日本にまだ住んでいるはずだが
COVIDのせいで
もしかしたら
もう自国へ戻ったのかもしれない

イタリアから来た彼は
もともとイギリスに住んでいたが
イタリアの地元に
帰ったと聞く

アメリカから来た人たちは
彼らの故郷の国へ帰ったと
聞いている

タイから来た人は
一体どうなったんだろうか

思い返すのは
そんなことばかりだ

彼らも日本の地方都市で
なかなか大変な生活を送っていた
外国人を受け入れられる人と
そうでない人との差が大きく
いろんな壁にぶち当たっていた

日本が
本当に移民を受け入れられる国になるには
まだまだ
時間がかかりそうだ

外国人というだけで
寄って来る人もいれば
避けていく人もいる
どうして普通に接してくれないのだろうか

そんなことを
誰かが言っていたことを
思い出した

このプロジェクトは数年ののち
一つの成果を出して
終了となったが

日本でこうした仕事ができたことは
とても楽しい記憶でもあった

そして
日本という土地が
多様性を受け入れることの
難しさを
知った経験でもあった

そして多くの国から来た人たちと
プロジェクトをやって
自分なりに答えが、出た

世界で活躍できる人は
日本でも活躍できる

日本で活躍できる人は
世界では活躍できるとは限らない

ということである

世界を相手にすることの
難しさを
思い知らされたことを
思い出す出張でもあった

そして

出張がない日々は
身体が楽ではあるが

やはり私は
出歩いている方が
好きなようである

La Carrière -Mariko