美しく、ありたい

古くから私のことを知っている人は
私が
美しくありたいと言うと
鼻で笑うかもしれないと思う

私は男性性が強い人であった
そして事実
今もそうである

だから例えば料理でも
感覚の美も大事にしているが
ケーキを作る際に
バターの役割は何かなど
ついつい考えたり
調べてしまったりするのである

もちろん
仕事の性質上
ジーンズも身に付けるし
男性的なパンツスーツも
身に付ける

それでも
そういう時でも
美しくありたい

私はそう思う自分を
ようやく見つけ出した

私は自分が
美しくなれる原石であることを
長年
忘れていたのだと思う

原石は
磨かなければならないが
原石があることにも
気が付かなかったのだと、思う

たくさんの友人たちが
私にフルメイクをしたらどうかと
勧めてきたことを思い出す

あくまで素肌が綺麗であるべきだと
私は思っていたし
それは間違ってはいなかったが

作られた美しさではなく
自分と共に
作っていく美しさがあることに
ようやく気が付いたというわけである

自分で自分のことを
美しいと思えるかどうか

それは
簡単なことではない

テレビやマスコミの世界では
何万という
綺麗、美しい、かわいいなどと言われている
女優やモデルがいる

そんな人たちと比べると

持って生まれた
低めの鼻かもしれない
下に曲がった唇かもしれない
一重瞼かもしれない

コンプレックスの塊かもしれない自分を

他人と比べるのではなく
自分にしか出せない
美しさを
見つけ出すという
作業がいるのである

動作に気をつけ
所作に気を配る

昔の日本人が持っていた
道の世界にも
どこか通じることがある

そういうことから
変化を起こし
美しくなっていくことが
できるのである

だから
私も自分にしかない
美しさの原石を
磨き続けたいと思うし

誰かの原石を見つけ出し
磨いていく
お手伝いができたらと考えている

La Carrière -Mariko