休暇が取れるなら

忙しい、という言葉は嫌いである

しかし、現実
忙しいのである

つまり時間のコントロールが
できていないのである

仕事とプライベート
やるべき作業とやりたいこと
そのバランスが取れていない証拠である

私は心を亡くしているのだ

そこで
休暇に焦点を当ててみる

もし休暇が取れるなら

二泊三日で温泉旅行へ行きたい

一泊目はただお風呂に入り
食事を堪能し
睡眠と言う名の深い海の底に
ただ身体を沈めたい

目覚めから覚めたら
美味しいコーヒーを飲みながら
ただ景色を眺め
マッサージを受けたりして過ごす

そのあとは
私の大好きな時間
つまり
小説を書く時間にするのである

そして気持ちよく字を書き終えたあとは
散歩に出かけ
お風呂に入り
二泊目の夜を過ごすのだ

夕飯はハイヒールで出かけれられるような
素敵なレストランで頂きたい

そして三日目の朝は
まるで一日目とは違う自分であるように
軽やかにそこを後にしたい

睡眠という名の海底から
地上へ出てきた
新しい生き物のように、である

そんな妄想をするだけでも
気分が少し晴れるのが、分かる

実現するまでには
もう少し時間がかかるだろう

しかし
それでも
私はこの妄想を実現させると知っている

なぜなら
身体が求めているからである

夫にこのことを話すと
同意してくれる
そういう休暇、いいね、と

休暇の過ごし方が同じ人を
人生のパートナーとすることほど
幸せなことはない

休暇に思いをはせながら
現実の忙しいとうるさい私の心に
少しだけ蓋をしよう

そして眠りの中だけでも
幸せな時間を過ごせるよう
想像力を使いたい

La Carrière -Mariko