ハイヒールのアジア人女性

スペイン語でインタビューを受ける時
とにかく
間違えないように話したいと
思うのだが

なかなか
ノーミスで終える、ということが
できないでいる

テレビやラジオは一過性があるので
形に残っていないことも多いが
雑誌にコメントが掲載されたりすると
なかなか消すことができないことが多い

雑誌の取材の難しさはそこにある

これはする方も、受ける方も同じだ

しかし
ここはメキシコである

私の名前はよく間違われる
何度も会っているジャーナリストでさえも
間違えるものである

こうなったら
覚悟を決めるしかない

メキシコのとある業界の専門誌に
あまり顔と名前を売るつもりはないのだが
彼らの中では
私はきっと
いろんな名前で呼ばれているはずである

人と会う際は
ハイヒールで

名前が覚えられなくても
間違っていても
ハイヒールを身に着けている
アジア人の女性という
印象だけでも
充分である

だから名前は
気にしないことにした

とあるジャーナリストに
ハイヒールをほめられたのが
きっかけである

ハイヒールのアジア人女性と
覚えてもらえているだけで
充分だと
改めて思うのであった

La Carrière -Mariko