お風呂が好きな理由
子どもの頃
お風呂に入って
夢物語を想像するのが
趣味であった
あり得ないこと
あり得ること
塾のテストで一番になること
志望校に合格すること
どんな風に働くのか
どんな場所で活躍したいのか
不思議なもので
お風呂場で想像したことは
現実となって
目の前に現れてくるのだ
だからではないが
私はお風呂が大好きである
お風呂に入り
湯船で身体をあたためながら
自分が理想とすること
叶えるべきこと
達成すべきことなどを
想像するのだ
想像力は
誰にも奪えない
自由に考えればいい
制限はない
あるとしたら
自分にはできないという制限
お風呂に入りながら
想像することの時間が
いかに贅沢で
素晴らしいものであったのか
湯船のない生活を始めてから
改めてその時間を愛おしく思うのだ
どんな場所でも
自分にとっての
魔法のかかった場所ができあがる
想像をしながら
眠りにつくのでもいい
ベッドの上でも
キッチンでもいい
私にとって
お風呂場とは
想像と自分が出会う
秘密の場所でもあったのだ
だから
私はお風呂が好きである
そして
そんな特別な場所があるのは
幸せなことである
La Carrière – Mariko