ハイヒールを手なずける

美しい靴を愛する人たちの
共通の悩みの一つが
靴擦れである

既成品は
ある程度平均のサイズを元に
作られているため
起きてしまうことは
確かにある

これまで
靴擦れを起こさなかったハイヒールが
いくつかある

その理由を考えてみたところ
私の場合
ハイヒールのサイズと
革の固さや柔らかさに関係がありそうだ

クリスチャンルブタンのハイヒールには
先が細く
私の足に合わない形も多々ある

しかし
普段レッスンで使っているものは
徐々に履きならしてきたこともあり
靴擦れを起こすこともなく
先端の形も
私の足の形に合いつつあるのだ

自分の足に合ったハイヒール探しは
永遠の課題かもしれないが

一度手にしたハイヒールを
いかに手なずけていくかも
学びの一つである

パリでクリスチャンルブタンに出会って以来
何足のハイヒールを買ったか
数えてみた

どうやら
10足を超える靴を買っていたようだ

しかし
そのうち約半分は
すでに手放したか
日常的に使っていないものだ

つまり
手なずけるのをあきらめたか
自分との相性が合わなかったものが
半分もあるということである

私は生涯で
いくつのハイヒールを買い
そのうち
どのくらいのハイヒールを
手なずけられるのであろうか

正直なところ
何足も持っている必要はない

身に着けなくなったハイヒールは
その役目を終えた
ということだ

美しい芸術品でもある
ハイヒール探しは
人生をかけた楽しみでもある

その旅は
まだ
始まったばかりであるが

これ以上
無駄買いをしないためにも
まずは
今手元にあるハイヒールを
手なずけたい

La Carrière -Mariko