多様性の素地を作り出す

互いの仕事を尊重し
共に暮らせない家族がある

私自身も
家族と共に暮らせていない

かわいそうだとか
共に嘆き
同情してくれることが
ほとんどである

もちろん
家族は共に住んだ方がよい

夫婦の仲を深めるためにも
そばにいるに越したことはない

一方で
海外転勤や国内の異動など
仕事や様々な事情で
共に住めない家族がいるのも
事実なのである

終身雇用の時代は終わった
などという言葉も聞くが
日本の多くの企業は
まだまだ終身雇用を脱していない

一度仕事を辞めた人が
フルタイムの仕事に戻ることが
こんなに難しい国も
そうそうない

多くの場合
出産や子育て
夫の転勤などで
女性が仕事という意味でのキャリアを
犠牲にしているのも事実である

多様性推進が意味するのは
女性活用ではないのだが
多くの日本の企業が
まずは女性活用をと
考えてしまいがちである

確かに
女性の活用は必要である

キャリアを犠牲にしてきた女性たちが
再度仕事を得られるように
支援していくことは
必要なことである

しかし、その前に
根本的に足りていないことがある

それは
キャリアの多様性を受け入れる
素地である

働くことだけがキャリアを作り上げるわけではない

仮にハイヒールコーチという肩書きで
企業に履歴書を持って行ってみよう
果たして
どんな企業が採用してくれるだろうか

大事なのは肩書きではなく
経験で何を得て来たかであるにもかかわらず
日本の企業は
それを聞き出すのが下手なのである

それに対応するためにも
仕事を求める人が自ら
自分自身の考えや経験を
それぞれの言葉で伝えていかなければ
ならないのだ

多様性の素地がないなら
自分たちの手で作っていくしかない

大きな壁に阻まれた時にこそ
チャンスがあると捉えるべきである

いかなる経験も
すべてが人生、キャリアのベースになることを
忘れてはならない

そして
これから仕事を探す方がいるのであれば
是非ともその背中を押し
応援したい

私たちそれぞれに
素地を変えられるだけの
力があるはずだ

自分の可能性を信じることは
時に
自身の人生だけでなく
社会や企業の理念や制度さえも
変えられる力を
発揮するのである

La Carrière -Mariko