第三の力が働くとき

母になりたいという思いで
やれることを
全部やると決めた私は
この一年は、と思い
病院以外にも
できることをしよう、と決めた

食事の改善はもちろんであるが
鍼治療や漢方なども
取り入れるということである

先日、人から紹介された
漢方薬局に
連絡を取ってみたところ
希望の日時には予約が取れず
一週間後の予約となってしまった

その時は
これは縁がないのだろうと思っていたのだが
急遽、病院へ行かないといけなくなり
私の希望の日時は
高度生殖治療の通院に使われることとなったのである

ああ、そうか
だからこの日
予約が取れなかったんだ

私は合点がいった

世の中は
何事にも意味があるという
そして
すべての出来事に
無駄なことなどないという

こうした些細な奇跡の積み重ねが
日常を作っていることを
私が一番知っている

友人との食事や
家族での外出の予定も
すべて
奇跡のようなものである

お互いがスケジュールを分かち合うこと
時間が合うこと
まさにこれこそが
人と人とが起こす奇跡でもある

私は人生を賭けて
治療を選んで日本へ戻ってきたが
覚悟が足りなかったと
思わされることもある

それは仕事への情熱である

私はどうも働くことが好きなようだ

海外でもっと働きたい
今よりもクリエイティブな仕事をしたい

そういう思いが
自分の中で
めらめらと燃えてしまっている

どうも私は
試されているような気がしてならないのである

試されているのは
母になる覚悟なのではないかと
感じるのである

一方で今回のように
第三の力が働いたかのように
上手にスケジュールが組み合わさったり
不思議とうまくいったりとする出来事に
やはり
私は導かれるように
帰ってきたのではないか、とも
思ったりするのである

人間とは本当に複雑な生き物である

それは自分を見つめながら
改めて悟ったことでもある

母になれるかなれないか
結果が出なかったこれまでの
自分を忘れたい
そして
母になっている自分を想像しよう

第三の力も味方してくれるはずだ

そのためには
自分の意思が必要なのだと
思い知るのである

La Carrière -Mariko