母に、なりたい

私が帰国するということを
聞きつけて
おかえりなさいと
心温まるメールをくれる
同僚たちがいた

待ってくれている人がいることは
ありがたい

しかし
メキシコがレベル3になった今
私の無理やりとも思える
帰国劇に
何やら
どうしたの?と
不信を抱く人が
いないわけではないのが
世の中というものである

大企業とは
こういう時
本当に、面倒くさいものである

なぜなら
普段から付き合いのない人が
色々と詮索してくるのである

あの人はどうして
帰ってくるのか
などとである

気にしてはいけないことを
私も十分理解しているが
そういう声を耳にする度に
面倒くさいのと同時に

どうして帰ることを
非難されないといけないのかと
熱くなってしまう自分がいる

母になりたい

その想いを叶えるためには
最後の一年の勝負であることくらい
自分が一番わかっている

それを
いちいち説明するのも
バカバカしい

それでも人は
詮索好きであるし
噂好きなのものである

いい加減にしてほしいと
心の底では思っているとは言え
不妊治療をしていることを
どうでもいい人たちに
自ら言うほど
私は馬鹿げていない

母になりたい私と
向き合うと決めたのだ

苦しい決断だった

だけど
この決断が間違いでなかったことを
私は知っている

人生で
変化こそが
チャンスなのである

私は自分の遺伝子を残したい
この地球のために
できることをするという
自分の使命を全うしたい

一方で
本当に私のことを理解してくれている
上司や役員などという
会社の中でも立場が上の方がいることが
私の救いでもある

そして気が付いた

人生は多分
ほんの一握りの人にでも
理解を得られれれば
きっとうまくいくのだということに、である

周りの声に
耳を傾けすぎると
疲れてしまうことは
自分が一番よく知っている

だから
自分を大事にしよう

改めてそんなことを思いながら

私は自分の中の
母になりたい私と
新ためて
約束をするのであった

この一年は
母になるために
全力を尽くすのだ、と

La Carrière -Mariko