英国人から学んだ、聞こえる英語へのコツ

欧州を相手に仕事をしている時
イギリス人が会議に入ると
ムードが一変したことを
よく覚えている

それは会議の参加者に
正しい英語を話さなければという
意識が
芽生えることである

イギリスが抜けたあとの
欧州連合がどうなるのかは
見ものだと思っているが

私の取引相手は
イギリス人以外にも
主にイタリア人、フランス人
そしてドイツ人であった

ローマで会議があった際
イギリス人の同僚が
帰りのタクシーの中で呟いた

今日の会議で
Ken(日本人)が
実は何を言っているのか
さっぱりわからなかったんだ

と言うのである

思わず、え?と聞き返してしまった

なぜなら会議の後半は
質疑応答でほとんどの時間を
Kenが使っていたからである

そこで
何が分からなかったかを聞いてみたところ
原因が見えてきた

それは日本人特有の
あー、えっと、えー、
というようなフレーズが
彼の英語のあちこちに
散りばめられていたことであった

そういう言葉が入ると
英語がいつ始まるのか
分からなくなってしまうのだという

その言葉に私も苦笑した

自分にも
思い当たらないわけではない

英語を話す時
日本語で考える事はないが
単語が分からない時や
言い回しに困ると
おそらく
自然にそういう言葉が
出ているはずだ

その時に学んだのは
癖となっているかもしれない
その小さな相槌こそ
英語に最初に変えるべきところであった
ということである

例えば英語では
so…
well…
などが使えるが
こういう言葉を
自分のものにしておくことである

癖を直す方法は
そんなに簡単ではない

私も時折
ええと、などと言いたくなることがある

それでも
そういう言葉を使わないということを
意識することで
減らすことができるようになる

その時
イギリス人の彼が
教えてくれた
もう一つのコツは
単語の発音ではなくて
抑揚であった

日本語にはあまり
抑揚がないため
話す際の
アクセントの強弱や
言葉の上下を
気にしない人が多いが

これを気にするだけで
ぐっと聞きやすくなるのだという

その方法を教わって
さんざん英語でプレゼンテーションの
場数を踏んだ今

アメリカ人のボスたちから
Congratulationsと
プレゼンを褒められるまで
おそらく10年はかかったと思うが
これも
小さな積み重ねでしか
変われない

そして今朝
久しぶりに自分が話している姿を見て

すっかりスペイン語訛りになった英語を
少しづつ
戻さなければと
自分を戒めるのであった

やはり語学を極める道は
一筋縄ではいかないものである

La Carrière -Mariko